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Suspending Objects

 

以前、Machine & Toolsの方で好評だったので、少し加筆して転載。

インスタレーションやメディアアートの現場では、よく作品や機材を天井から吊り下げることがあります。
現場の状況や吊り下げる物によって手段は変わってきますが、勘所を掴めばそこまで難しい作業ではありません。
とはいえプロの設営エンジニアさんは、プロジェクターの画面を1pixel単位で厳密に精度を出して設営します。
そんな高いレベルで設営するには相応の知識と技量、経験が必要ですが、ひとまずここでは天吊りに使う主な素材とメソッドを紹介します。

 


 

吊り材

テグス

最も一般的な天吊り材。透明な樹脂製で、見えにくいのがメリットです。ただし強度はあまりないので、重い物の吊り下げには向きません。また、ハリがあるため結びにくく、長時間吊り下げているとだんだん伸びてくる欠点があります。

号数はテグスの太さを表し、数字が大きいほど太くなります。

ワイヤー

天吊りの際のスタンダード。ワイヤーは主に鉄製のメッキワイヤーか、ステンレスワイヤーの2種類です。長期間使用する場合は、錆のことを考えて後者を選びたいところ。ほつれ防止のために外側にナイロン皮膜を施した製品もあります。

ワイヤーの場合、太さはmmで表します。

カシメ・スリーブ

ワイヤーの先で輪を作る金具で、基本的にはワイヤーとセットで使います。ワイヤーの径に合わせたカシメを使用しないと意味がありません。また、締め付けには専用の工具を使います

※ワイヤーとカシメの使い方についてはこちら

棒材

ある程度条件が限定されますが、単管パイプとジョイントを組み合わせて吊り下げるケースもあります。吊り下げ強度も高く、調整も楽ですが、見た目がゴツいのが難点です。

パイプ材の代わりに、長ネジを使う場合もあります。長ネジの場合は、ナットの位置で微調整できるのがメリットです。強度はパイプ材に比べてやや落ちます。

 

金具

ヒートン

100均などでも売っている代表的な吊り金具。埋め込む相手の素材と吊る物の重量にもよりますが、吊り下げ強度はそれほど高くありません。

Sカン

ヒートンと同様、一般家庭でもなじみ深い吊り金具。色々なサイズ、形状があります。

シャックル

開閉部分がネジになっている金具です。ヒートンやSカンのように隙間がないので脱落の危険がなく、信頼性が高いです。

スプリングフック

カラビナともいいます。様々な形状・サイズがありますが、簡単に引っ掛けることができて信頼性も高いのが特徴です。

アイボルト

ネジ頭がリング状になっているボルト。ナットでも同様の物があります(=アイナット)。

ワイヤークリップ

ワイヤーを2本通して締め付ける金具です。カシメと違って取り外せるので使い回しが効きます。安全のため、一カ所につき2個は使いたいところ。

ワイヤーフック

ワイヤーを中に通して、自由に高さを調整できる金具。耐荷重はそれほど大きくないですが、通常の平面作品程度なら問題ないでしょう。脱落防止用にストッパーがついたタイプもあります。

クランプ

金具が使えない様な場所では、普段工具として使う様なクランプも吊り金具として使える場合があります。締め付けた際に、対象を傷つけないように注意しましょう。

ライティングレール用フック

主に照明器具を取り付けるライティングレールから吊り下げたい時に使います。耐荷重についてはフックの強度と併せて、レール自体の強度を確かめましょう。

アンカー

アンカーは、天井や壁面などの構造体に下穴を空けて、ナットやボルトを構造体に打ち込む金具です。基本的に打ち込んだら回収できないので、現状復帰が原則のギャラリーなどでは使う機会がないかもしれません。

構造体の素材や状態(密か中空かなど)によって使う種類が変わります。

マグネットフック

支持体が鉄系の場合、磁石の力で吊り下げるのもアリです。近年安く出回っているネオジウム磁石のものなら、ある程度の重量にも耐えられます。

磁石の特性として、吸着力は横方向の方が垂直方向よりも弱いということだけは注意しましょう。

リーズロック

工具を一切使わずに扱える、金属ワイヤー専用の金具です。一度通すと、片方の方向にロックがかかって固定することができます。

 

調整金具

 ターンバックル

ワイヤーで吊り下げる時に、その高さや傾きを微調整する際の必需品です。片方のネジが逆ネジになっているため、中央の連結部分を回せば全体の長さが変わる仕組みになっています。2点間に渡したワイヤーにテンションをかける場合にも使われます(ワイヤーグリッド天井などで見ることができます)。

 


 

スタンダードな吊り方

1点吊り

一番シンプルな吊り方で、耐荷重の計算等も楽ですが、「揺れやすい」「回りやすい」の理由で、あまり見かけません。ある意味では、「回す」「揺らす」必要性がある場合に選んで使う方法でしょう。

 2点吊り

平面作品などを吊るす場合のスタンダードな方法です。多少ワイヤーにムダが出ますが、耐荷重しだいでは1本で済ませると傾きの調整が楽です。

4点吊り

プロジェクターなどの機材を吊るす場合のスタンダードな方法です。高さや傾きの調整もさることながら、4本のワイヤーに均等に荷重をかけるのが難しく、上級者向けです。

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