ARTWORKS
Seeker's (or Desecrator's) Will
「探求者(もしくは冒涜者)の意志」と名付けられたこの作品は、自らが追い求めるものに対する能動的な意力・威力の象徴である。 その原動力は使命感から好奇心、果ては私欲までと幅広い。 人は、己にとって「有益である」と判断した物事に対して、貪欲な姿勢をみせる。 現代社会においては、いわゆる「三大欲求」を包括するかたちで第4の欲求、すなわち「情報欲」に対する意識が顕著である。
アボリジニの伝統楽器であるディジェリドゥをベースに、様々な機器を「鎧」のように身にまとった姿は狙撃銃さながらである。 厚く、凶悪な低音を響かせ、今日も新たな情報を狙ってさすらう魂はどこへ向かおうとしているのか。
Specimen
この作品は、"Seeker's (or Desecrator's) Will"によって射止められ、標本化された情報を表す。 人々は情報の即時的な有用性を求めるが、それは必ずしも現実とはならない。 たとえ何気なく射止めた情報であっても、しばらくして初めてそれが自分にとって真に有益な情報であったと気づくことは誰しも経験していることだろう。
捕らえられた情報は生きたまま瓶詰めにされ、自らを主張するように蠢きながら、いつか処理されるその時を待ち続ける。 蠢く標本は処理を経て、やがて彼の武器をさらに強化するが、それは彼の手段となるだけで、真の目的を満たすことはない。
