DARK MATTER

我々が夜空を見上げる時、その焦点は常に光り瞬く星々に向けられてきた。それは天文学・物理学の世界においても同様である。宇宙の主役はそうした天体や、光学的に観測できる物質であるとされてきた。ところが近年になってそうした物質の総質量だけでは、宇宙を運行させる様な巨大なエネルギーを生み出すには足りないという事が判明する。光を出さずに質量のみをもち、宇宙空間の大半を占めるというこの謎の物質を、暗黒物質=DARK MATTERと呼ぶ。
この作品ではその影の主役・支配者という性質をパフォーマンスにそのまま流用する。つまりこれまでのパフォーマンスにおいて主役・支配的存在であった諸要素にシェードをかけ、「影」とする。それによってパフォーマンスに対する、どのような鑑賞者の視点の交錯が望めるか。これがこの作品のメインテーマである。
この作品は、「場の歪曲」という大学院における研究テーマの最終成果である。出演者と鑑賞者、舞台と客席、開始と終了といった、パフォーマンスにおける通説的な対比項を極限まで削り落とした中で、鑑賞者の認識と知覚がいかに変容するのかを探るものである。
2006
Installation / Performance
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