PENESTRATORIUM

K.Inoue online portfolio

INDEPENDENT DIASPORA Series

 

初の個展と同じタイトルをもつこのシリーズは、自身のルーツを発端とする現代的“生”の考察を通じて、その軌跡で得られた拾得物や、それらを手に入れるための武具の概念を具象化する試みである。

流通と通信がこれほどまでに発達した現代においては、多くの人が流転し、認識や価値観の同異性も細部にわたって確認することができる。祖国・母国・故国の違いももはや曖昧になり、様々なコミュニティに同時的に、断片的に、そして一過的に所属する。単にライフスタイルとしてではなく、その様に生まれついたという点においてノマド的というよりはディアスポラ的である。ただし、この場合ディアスポラが本来含意している「集団性」を喪失しているために、このシリーズのタイトルはどこか滑稽なのである。

自身の人格が経験によって形作られ、経験が知覚によって保証されるとするならば、知覚の鋭敏化と情報への飢餓感を余儀なくさせる現代のディアスポラは皆が狩人である。このシリーズは、そうした概念的狩人たちの様相を博物学的にドキュメントするものである。

Series of artworks